(2020.11.23 アメブロ 公開した記事をこちらにお引越し)

 

幼稚園入園当初(2012年4月)から、タロウは多動でいつも園舎の中を走り回っていました。

他クラスに入ってはおもちゃを散らかし、職員室にも侵入してお騒がせしていたそうです(後から知りました)。

お弁当の時間になってもタロウは自分の好きな遊びを続け、気持ちの切り替えが出来ませんでした。

タロウが園庭から勝手に外に出てしまって先生が上履きのまま追いかけた……ということもあったそうです。

タロウの幼稚園での<困った>行動は、具体的にどんな困ったことがあったのか、当時は園の先生方が私に配慮してくださって私には知らされておらず、先生方が大変な思いをされていたことを後から知りました。

子どもを受容してくださる園の当時の先生方には、本当にお世話になりました。いまでも感謝しています。

タロウはそんな園の先生たちのことを「大好き」と言っていました。

ちなみに当時、私はタロウから「ママ好き」と言われたことは一度もなかったです・・・。

タロウにとって

幼稚園 > ママ

であることはわかっていました。それなのに、タロウは登園時に私から離れたがりませんでした。

当時の私は、これが理解不能でした。

園バスがない園だったので、子どもたちは保護者と登園し、門の前でママとバイバイして園庭を駆け抜けて園舎に入っていきます。

「早く行きなよ」

「お友だちが待ってるよ」

「ほら、先生が手を振ってるから」

「幼稚園が好きなのになんで行かないの?」

毎朝、タロウとそんなやりとりをしていました。

他のママが気遣ってくれて、

「タロウくん、うちの子と一緒に行く?」

と声をかけてくれましたが、それでもタロウはなかなか私から離れませんでした。

他のママの視線が私の背中に刺さります。実際は私の気にしすぎだと思いますが、当時はタロウの気持ちよりも人目が気になって仕方がありませんでした。

「子育てうまくいってない人」と見られるのが怖かったのです。

園舎の入り口までついていき、タロウはようやく上履きに履き替えました。タロウがすっきり母子分離をして登園してくれないことが、毎朝とてもつらかったです。

登園を渋るタロウと、行かせようとする私。

いま思えば、

「行きたくないんだね?」

「どうして行きたくないのかな?」

「ママと離れたくないのかな?」

「迎えに来てくれるか心配なのかな?」

「ママのことが好きなんだね?」

「タロウの気持ちはわかったよ」

って言ってあげればよかったなあと思いますが、登園させることしか私の頭にはありませんでした。

だって幼稚園が好きだと言ってるんですもの。それなのに行かないっておかしくない? って思っていました。

タロウにしてみたら、

「幼稚園の先生はオレの気持ちを聞いてくれる、だからママもオレの気持ちを聞いてほしい」

って気持ちがあったのかもしれません。それを登園渋りという形で表していたのかも。

幼稚園に「行く」か「行かない」かの話の前に、子どもの気持ちを想像したり、理解しようとする姿勢が当時の私にはなかったです。

たとえば、私だって夕食を作りたくない時に、夫や子どもたちから、

「早く何か作ってよ、簡単でいいからさあ」

なんて言われるよりは、

「作りたくないんだね~」

「疲れたの?」

「いつも作ってるもんね」

なーんて言ってもらえると、

「そうなのよ~」

となるし、

「仕方ない、頑張って作るか」

という気持ちにもなれる……気がします(笑)。ならないことも多々あるかな〜。

けれども、

自分の気持ちをわかってくれる人がいる。

 

それってものすごく心強くて、元気になれることですね。